増野鼓雪と天啓

増野鼓雪の書き残した文章を通じて真実の天啓を探求していく

勤と世界(二)


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しからば、神様の思し召しというのは、どういうのであるかと申しますると、一寸考えたらこの道は、病助けの様に思われるのでありますが、この道は決して病助けのみの道ではありません。病気を助けというのは、一つの方便でありまして、真の神様の思し召しというのは、真実の人の心に人の心を立て替えさせて、この世を治められるのであります。

こういうと何だかこの道が、世界でも取る様に思われますが、神様のこの世の治め方は、左様いうのではありません。各人の心を立て替えさせて、各自自ら気を付けて争いなきようにして治められるのであります。それは丁度大祭に世界から多くの人が集まって来ますが、その中に警察事故が無いのに依っても知れます通り、あの様に治められるのであります。

或る年仏教の或る寺から、天理教では小さい村へ、何万という人を収容するがどういう方法で収容するのであろうかと、丹波市の警察に依頼して、詰所を見に来た事があります。所が本教の信徒は、自分は食べないでも人に食べさせたい、自分は寝ないでも人に寝させたいという心で、何でも人から先にするのみならず、一部屋二十人も三十人も寝て、少しの不正もないと所が、むしろそれを喜んでおります。それを見て仏教の僧侶は、これは天理教だから出来るので、仏教ではとても出来ない、何故なら信徒の心の持ち方が違うと申しました。

神様が世界を治めになるのは、丁度こういう風に治められるのであって、方法や手段で治められるのではありません。それには、皆が神様の思し召し通り心になって、心を揃えて働くから、左様した治まりが出て来るので、即ち神様を目当てに勤める所から、自然世界が治まると仰せられたのであります。

 

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