増野鼓雪と天啓

増野鼓雪の書き残した文章を通じて真実の天啓を探求していく

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

震災地より帰りて(三)

一方罹災者が食物を請う様は、目も当てられない悲惨なものでありました。殊に平常から貧困なものは、そうでもありませんが、相当な家のお嬢さんや、奥さん等は、飢えのために側まで寄って来るが、恥しがって手を出さない。手を出さなければ食物を得ることが…

震災地より帰りて(二)

それから高崎辺まで行くと、もうそこでは流言飛言が盛んに言いふらされて地方長官の証明なければ入京出来ないかと、軍隊が守っているから決して普通では入れないと云う様なことが云はれていました。そこで私は、前橋で一先づ下車して、県庁の証明書を貰って…

震災地より帰りて(一)

本月の三日に本部から、東京の震災地へ出張を命ぜられまして、漸く一昨夜帰って来たのであります。 皆さんは、東京横浜方面から、この学校へ入学するためにお帰りなった方々でありますが、今度の震災で、さぞ家のことが心にかゝって居られることと思います。…

地場を辞する人々へ(五)

「用木に神が入り込む」と神様は仰せられています。心に神が入り込んで働いて下さるのでありますから、人間思案の及ばぬことが見えて来るのは、何も不思議ではないのであります。所で、神様に入り込んで働いて貰はうとすには、此方の心を綺麗に掃除して置か…