増野鼓雪と天啓

増野鼓雪の書き残した文章を通じて真実の天啓を探求していく

教祖略伝 主婦(三)

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教祖は母となりて育児の任を加へたもうたが、家事の整理は素より、如何なる仕事も厭いなく、田畑に出ては男に優る耕作をなし、機にかかりては一日に二日分を織りたまい、荒田起こしと溝掘りの外は、如何なる家業にも従い、夜は更ける迄縫物に励み、姑の手足を摩りなどして慰められた。

殊に天性ともいうべき慈悲心は、年を重ねていよいよ、深く、下女下男は更なり、隣家に人々に対しても、時に当り事に触れて迸るが如く現れた。同村の貧困なる一人の者が、中山家の米倉をより米を盗まんとするを、教祖が許して改悔せしめられたるが如き、女乞食に食と衣を与え、その子に乳を呑ませられたるが如き、下男藤助の怠情を改ためせられたる如き、下女かのが夫善兵衞殿と通じ、教祖を毒害せんとせしも、教祖は嫉妬心の溺れず、かのを妹の如く愛して悔悟せしめらえたる如き、何れも教祖の異常なる慈悲心の発露にして女性の範とすべきである。

 

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