増野鼓雪と天啓

増野鼓雪の書き残した文章を通じて真実の天啓を探求していく

教祖略伝 主婦(一)

f:id:kosetu-tenkei:20210131155043j:plain

布留御魂神が宿る十種神宝を御神体として祀っていた物部氏の総氏家石上神宮

毎年九月十五日は石上神宮の祭礼である。或年教祖は父親に伴われ庄屋敷村の中山家へ、その祭礼の招かれて訪れられた。中山家と前川家は姻戚の間で、中山家も同村の庄屋年寄役等を勤められた名家であり、且田地持ちと謳われた豪家であった。同家の長男善兵衞殿は、既に二十歳を越え、良縁をと求められておったので、この日両家の親と親との間に、教祖と善兵衞殿の婚約が取結ばれた。

後日両親より中山家へ入嫁の件を申し渡された時、教祖は遁世の志願を述べて一度は辞退されたが、両親の切なる勧めに従い、入嫁後は朝夕仏に対する勤行に許可を条件として、結婚を承認せられた。

中山家も浄土宗の檀家であったから、この条件を喜ばされ、愈々婚約が成立したので、文化七年九月十五日、教祖十三歳の時、娘分として中山家に足入れせれた。この時善兵衞殿は二十三歳にして、正式の結婚はその翌年に行われた。

 

※元の神、実の神々と出会う処ふるのさとへ!