増野鼓雪と天啓

増野鼓雪の書き残した文章を通じて真実の天啓を探求していく

教祖略伝 幼時(二)

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教祖手作りのぬいぐるみ


教祖は以上の如く、幼少の時より怜悧の質であらせられたが、又愛情深き性能をも有せられた。七、八歳の頃、麦秋や米秋で多忙なるを見て、自ら隣家の子供を遊ばせ、泣く児があれば、父母より貰った菓子を与えて慰め、又自分の作られた巾着や糠袋を与えて、村の子の喜ぶのを見て楽しみとせられた。この教祖の愛情深く慈愛に富ませられたのを語るものである。

殊に教祖は幼年の頃から、俗にいう細工物に秀でておられた。飛ぶ鳥を見、走る獣を見、咲く花を見ては、直ちにその形を作りたもうた。後年針子を集めて裁縫を教えられたが、これを見ても如何に教祖が針持つ術の天分が豊かにあったかが想像される。

今一つは教祖が幼少にして、宗教的感化を受けられたことである。前川家は浄土宗の熱心なる檀家であったから、教祖は朝夕母の膝下に於いて、その感化を早くより受けられ、厭離穢土の思想を抱き、遂には尼法師たらんとの心願を持せられるに至った。

これを要するに幼少時代の教祖は、至極平和な村里に於いて、幸福なる家庭の長女として生まれ、怜悧な、しかも素直な愛情に満ちた性能を自由に発達せしめつつ宗教的感化を受けられたのである。

 

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