増野鼓雪と天啓

増野鼓雪の書き残した文章を通じて真実の天啓を探求していく

教祖(一)

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教祖は名をみきと申し、寛政十年四月十八日いざなみの命の霊を宿して産まれたまうた。その因縁によりて御年十二歳で人世の無常を観じ、尼法師たらんと願いたもうた。十三歳の時因縁の地たる中山家に入家し、十六歳で主婦となり、十九歳にして五重相伝を受けたまい、三十一歳の時一男二女にあるにかかわらず、隣家の独り子を預かり補養したもうた。しかるにその子黒疱瘡に冒され命旦夕に迫ったので、教祖は神明に祈願したもうた。その願意は我が二女をもって一子に代へ、なほ不足ならば満願の上我が身も神に捧げんとの誓いであった。病児は日ならずして病癒えたが、教祖の二女は神に召されて逝去せられた。教祖は我が身も遠からず神に召さるべきものなるを覚悟したもうた。